2016年の映画『シン・ゴジラ』に関する話を今更ながら読んでいる。
その話は、シン・ゴジラのリアリティに関する話で、当然ながら映画公開当時の日本や世界の状況が前提になってる話。
そんなテーマの一つに映画のラストに近い段階で大手町がゴジラに破壊されるシーンに関して、あれだけ大手町が破壊されたらインターネットが機能しないのではないかという指摘が専門家からされていたのだ。
ゴジラに対する最終作戦の中にはインターネット回線が十分に機能して初めて成り立つものが多いからだ。
専門家ではないわたしには何を言ってるのかわからない話だったが、2016年当時インターネット通信事業者の通信を結節するIX(インターネットエクスチェンジ)は、その9割以上が大手町の地上施設に集中していたのだ。
残りの1割に満たない程度が大阪にあった。
つまり、IXがダメージを受けるとインターネットが機能しなくなるのだ。
世間一般ではインターネットは冗長性が高いので途中の回線がダメージを受けてもそれでも繋がると思われがちで、わたしもそう思っていた一人だが、大規模に大手町がダメージを受けるとダメらしいのだ。
さて、2024年現在ではIXは福岡、仙台、札幌にも拠点があるが、その割合はChat GPTに聞いても『公表されてません』と答えるのみ。
しかし、IXの大阪が見直されたのは東日本大震災がキッカケらしいので2016年当時10%に満たないとはいえそれは拡大中だったようなのだ。
そんなIXが福岡、仙台、札幌と拠点を増やしてる理由の一つはシン・ゴジラなのかもしれない。
シン・ゴジラは政治家や霞が関の官僚にもファンが多いし、そのリアリティは議論になってるので、リアリティがあるということはそれはすなわちリスクなのだから。
8年前のエンタメだからと侮れない論点をシン・ゴジラは持っている。