日本には『能ある鷹は爪を隠す』という諺がある。
これは、賢明とはどう振る舞うことかを教えるものでもあった。
しかし、現代は真逆が当たり前だ。
『能』は様々なものに置き換え可能で、現代では武力や権力や影響力や腕力などが該当する。
ロシアがウクライナに攻め込んだことを歴史的なあるいは地勢的な因縁で説明する話もあるが、結局はロシアの武力アピールと言い切れる。
トランプ大統領の関税政策は二転三転してるが、これも権力や影響力の過度のアピールと言い切れる。
アピールは、比較することから生まれる優劣に対するリアクションであり、それが武装の行使となったり、爪の大きさや鋭さの見せびらかしに繋がったりする。
博打やギャンブルの世界では見せかけのハッタリでも有効に作用することが少なくないが、現代の自称『能ある鷹』は爪を強化し見せびらかすことに夢中だ。
少し前まで爪を隠していた賢明な人とは違う人種に感じられるが、だとすると爪を隠していた人達は今どうしてるのだろうか?
どうしてるかは分かりにくいだろう、なにせ自分をアピールしたりしないだろうから、そしておそらく比較に一喜一憂することも無いはずだから。