違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

笑うことが減ってませんか?

同時に複数の課題をこなす能力をマルチタスク能力と呼び、ビジネスに必須の能力とする意見が多いし、わたしもそう思っていた。

 

マルチタスク能力とは、いったい何を指すのだろうか?

 

歌って踊れる能力なのか。

 

電話をしながらメモをとる能力なのか。

 

1日1善ならぬ、1日2善以上なのか。

 

一時期もてはやされた感があるマルチタスクというワードは、2018年になると一気に否定され始めている。

 

f:id:chigau-mikata:20190329164818p:plain

 

ビジネスの世界でマルチタスクと呼ばれていることの多くは、単なるタスクスイッチングであることがほとんど。

 

タスクスイッチングとは、その名の通り複数の案件を抱えていても、どの瞬間を捉えてもやってることは一つでタスクを切り替えているだけ、同時に複数のことはやれてないし、そもそもできないということから言われ始めた。

 

ちなみに、同時に複数のタスクをこなすことはとてつもなく困難だが、タスクの切り替えは0.1秒でできると言われている。

 

オレオレ詐欺になぜ引っかかるのかと言われたら、それは情報処理に当たって複数の疑問(課題)への解答が求められるからだ。

 

電話をかけてきたのは誰?

 

電話で伝えてる内容は一体何?

 

これらのことがわからないまま話を進めるからおかしなことになる。

 

このことに年齢は関係ないらしいが、特に歳を取ると、シングルタスクの処理能力すら低下するので、同時に複数の??を抱えると思考能力そのものがストップするのだ。

 

ちなみに、複数の??が課された場合は、一旦打ち切ることが大事、電話で??が複数あったら切ること、間違いだった場合のフォローなんて後からいくらでもできる。

 

わからないことの上に、別のわからないことを重ねないというのは勉強にも通じる。

 

 

 

同様のことは、マジックのネタに引っかかるのとよく似ている。

 

マジックのネタは、複数の情報を人間は同時に処理できないという特性を利用しているのだ。

 

心理学ではマルチタスクのことを二重課題と呼び、トリックを有効にするためのテクニックとして駆使されているが、それは騙すことと全く同じだ。

 

マルチタスクとは、コンピュータに課題を解かせる場合の用語として生まれたと言われるが、いつしかこれを人間に当てはめるようになったのだろう。

 

マルチタスク処理が人間には困難だと知って思い当たることがある。

 

ミソフォニア(音嫌悪症・音恐怖症)。

 

さまざまな音や声が気になって不快でしょうがないという症状で社会問題にもなっている。

 

何かのタスクを抱えてる状態で、音が聞こえてくると、その音を情報処理できなくなるのかもしれない。

 

そして、老若男女ストレス社会ゆえに、すでに処理すべきストレスが他にある状態で、新たな音というストレスが課されることで、二重課題状態になっているのかもしれない。

 

ここまで考えると、ストレスをバカにしてはいけないということがよく分かる。

 

現代社会では、多くの人が課題を抱えながら生きているが、常時抱えてるストレスがあったとすると、向かうべき課題へは向かえずに、向かう必要のないストレスに支配されるかもしれない。

 

ところでストレスの反対語を知っているだろうか?

 

リラックス(リラクゼーション)。

 

ストレスを一言で説明することは難しが、同様に反対語のリラックスも一言で説明することが難しい。

 

しかし一つだけ簡単なリラックス法がある。

 

それは笑うこと。

 

本気で笑えるものを持つことは現代では最も重要なことかもしれない!